放射線グラフト重合法を利用して,がんのその場診断を目指し,バイオマーカーとして知られるmicroRNAを小容量サンプルから高速かつ高感度に検出できる持ち運び可能なグラフト型自律駆動マイクロチップを作製した。放射線グラフト重合法は,基材の材質を選ばず,重合開始点の固定が必要なく,短時間で表面機能化できる手法である。チップ流路内表面にmicroRNAを捕捉するプローブDNAを3次元的かつ高密度に固定することに成功し,作製したグラフト型マイクロチップを用い,0.5 マイクロリットルのサンプル中から20分で市販のマイクロアレイと同程度の0.75 pMのmicroRNAを検出可能であることを実証した。
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