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2014 年度 実績報告書

マルチプローブとシミュレーションによる固体アルカリ形電解質のアニオン伝導機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 25871142
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

加藤 健一  独立行政法人理化学研究所, 放射光科学総合研究センター, 専任研究員 (90344390)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード超イオン伝導 / 層状酸化物 / プロトン / 還元・水和反応 / 放射光X線回折 / ラマン分光 / 濃淡電池 / 分子動力学シミュレーション
研究実績の概要

これまでに、室温で超イオン伝導性を示すことが見出されたナトリウムコバルト層状酸化物について、化学反応下で放射光X線回折やラマン分光の測定を行い、超イオン伝導相の構造を明らかにすることに成功した。最終年度は、伝導キャリアの特定と伝導経路の可視化を目的とし、電気化学測定と分子動力学シミュレーションを行った。まず、濃淡電池の測定からキャリアは水酸化物イオンではなくプロトンであることが示唆された。次に行った、実験で得られた構造パラメータを使った分子動力学シミュレーションでは、プロトンが水分子を伴ってオキソニウムイオンとして拡散するという結果が得られた。一方、ナトリウムの拡散はほとんど見られなかった。このシミュレーションの結果を詳細に検討すると、オキソニウムイオンが特定のナトリウムサイトをハニカム状に拡散していることがわかった。この拡散の方向は、実験で得られたナトリウムサイトのディスオーダーの方向とも一致している。以上のように、マルチプローブとシミュレーションを駆使することにより、電子伝導体であったナトリウムコバルト層状酸化物が還元・水和処理で超イオン伝導体に相転移する機構を解明することができた。この成果は、簡単な化学的処理で層状化合物の電気特性を制御することが可能であることを示しただけでなく、電子物性やイオン物性を制御するための構造デザインに対する指針を与えるものであるということができる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] In Situ静電場解析による超イオン伝導体NaxCoO2の拡散トレース2014

    • 著者名/発表者名
      加藤健一、笠井秀隆、高田昌樹、堀彰宏、北川進、田中宏志、有川英一、竹口竜弥、小林顕、尾澤伸樹、久保百司、貞清正彰、山内美穂
    • 学会等名
      平成26年度日本結晶学会年会
    • 発表場所
      東京大学農学部
    • 年月日
      2014-11-03
  • [学会発表] Structural Basis for Emergence of Superionic Conductivity by an Ion Exchange2014

    • 著者名/発表者名
      加藤健一、笠井秀隆、堀彰宏、高田昌樹、北川進、田中宏志、小林顕、尾澤伸樹、久保百司、有川英一、竹口竜弥、貞清正彰、山内美穂
    • 学会等名
      23rd International Congress and General Assembly of the International Union of Crystallography (IUCr2014)
    • 発表場所
      Montreal Convention Center, Canada
    • 年月日
      2014-08-07

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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