Ras-RalGDS-Ral間のシグナル伝達メカニズムを明らかにするために、全長RalGDSまたはその機能ドメイン(RBD・REMCDC)を細胞内に発現させ、これらの細胞膜移行ダイナミクス計測を行った。その結果、RBDがEGF刺激依存的なRalGDS分子の膜移行頻度を上昇させるのに寄与している一方、REMCDCはRalGDSの細胞膜上における滞在時間の決定に寄与している事が明らかとなった。このことは、Ras-RalGDS間相互作用がRasとRalGDSそれぞれの複数の領域によって調節されている事を示していた。またRasの構造多型性もRalGDSとの相互作用に影響を与えている可能性が示唆された。
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