研究課題/領域番号 |
25871157
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
稲葉 洋平 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (80446583)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | たばこ特異的ニトロソアミン代謝物 / バイオマーカー / 喫煙 / 曝露指標 |
研究実績の概要 |
たばこ煙中には,4種類のたばこ特異的ニトロソアミン(TSNA)が含まれている。なかでも,4-(methylnitrosamino)-1- (3-pyridyl)-1-butanone(NNK)は国際がん研究機関(IARC)発がん性リスクグループ1(ヒトに対する発がん性が認められる)に指定されており,喫煙者に健康影響を与えることが懸念される。このNNKは生体内で4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanol(NNAL)に代謝後,尿中に排泄されることから,尿中NNAL量は,喫煙者のたばこ煙中発がん性物質の曝露指標となると考えられる。さらに,ニコチンの代謝物であるコチニン、3-ハイドロキシコチニンよりも生体内半減期が長いことから中期のたばこ特異的なバイオマーカーとされている。本研究は,尿中NNAL分析法を確立し,日本人喫煙者の曝露量を分析し,同時に他のバイオマーカー及び喫煙行動との関連性の調査を目的とした。 今年度は,25年度に確立した尿中NNAL分析法を用いて,日本人喫煙者98名中70名の実態調査を行った。次年度では、残り28名についても分析を行い、日本人喫煙者の尿中NNAL値と喫煙行動の関連性について解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
25年度に確立した尿中NNAL分析法を利用して,日本人喫煙者98名中70名の尿中NNAL分析を終了した。
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今後の研究の推進方策 |
25年度に確立した尿中NNAL分析法を利用して,日本人喫煙者の98名中70名の尿中NNAL分析を終了した。最終年度では,残りの尿中NNAL分析と喫煙行動及び他のバイオマーカーとの関連性について解析を進める計画である。また,海外喫煙者との報告とも比較検討を行い,日本人特有の曝露実態を解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定した日本人喫煙者の尿中NNAL分析がすべて終了しなかった。そのため次年度に残りの分析を行うために、消耗品の購入が必要になるため。
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次年度使用額の使用計画 |
尿中NNAL分析に必要な酵素、前処理カラム、分析用カラム、有機溶媒を購入する予定である。
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