日本の大腸がん検診に関する費用対効果分析が皆無に等しい状況下、本研究では、いかに全大腸内視鏡検査を用いるのが良いのかに注目し、日本の大腸がん検診についての費用対効果分析を行った。分析はマルコフモデルを作成し、日本の臨床/費用データを用いて施行した。分析の結果、日本では、便潜血検査を主体とする現行の対策型検診法よりもより積極的に全大腸内視鏡検査を用いる検診法が費用対効果に優れる可能性が示された。費用対効果に加え、必要となる内視鏡検査の負担も考慮すると、現行の対策型検診法をベースにしつつ、ある特定の年齢(45~55歳)で全大腸内視鏡検査を皆が受けるという検診法が有用と考えられた。
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