本年度の目標は、乳がん患者の乳がん患者の現在の症状や健康や病気の原因帰属、成長感、主観的健康感、QOLとの関連の検証を行うことであった。 研究対象者は、ピアサポートを実施している医療機関に来て、ピアサポートを受けた乳がん患者(以下、ピアサポート群とする)26名とピアサポートを受けていない乳がん患者(以下、非ピアサポート群とする)80名であった。ピアサポートを受けていない乳がん患者とは、乳腺科外来に通院している乳がん患者である。データ収集は、ピアサポート群は首都圏と関西圏にある病院と医院5施設の外来化学療法室または放射線治療室で行った。非ピアサポーター群は、首都圏の3施設の外来で行った。 調査内容は、①研究対象者の背景、②日本版HLC(主観的健康統制感)尺度、③日本語版外傷後成長尺度短縮版(PTGI-SF)」、④日本語版SOC-13、⑤日本語版FACT-B(第4-A版)であった。質問紙への回答は、自記式無記名式とし回収箱または郵送法にて回収した。研究参加への同意は、質問紙の回答を持って同意したとみなした。 結果として、ピアサポート群と非ピアサポート群では、FACT-B〔精神的健康感〕においてMann-WhitneyのU検定を行ったところ有意差が見られた。また、SOC、FACT-B、HLC、PTGI-Sの概念間についてSpearmanの相関係数の検定を行った。SOC-coとFACT-Bの身体ではr=-.345、社会家族ではr=.364、精神ではr=-.507、活動状況ではr=.401、心配な点ではr=-.240と相関が見られた。SOCとHLC尺度のS:超自然がr=-.215と相関が見られた。PTGI-SFとHLCの概念間では、HLC(I:自分自身)がr=.340、HLC(F:家族)がr=.423、HLC(Pr:専門職)がr=.313と相関が見られた。 今後さらに分析を継続していく。
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