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2013 年度 実施状況報告書

統合失調症におけるワーキングメモリ障害の神経基盤解明とリハビリテーション法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25871170
研究種目

若手研究(B)

研究機関独立行政法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

竹田 和良  独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 病院, 医師 (00631342)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードワーキングメモリ / 統合失調症 / 認知機能障害 / 認知リハビリテーション / 機能的fMRI
研究概要

統合失調症における認知機能障害は、就労などの機能的転帰に強く相関するため、その評価と治療法の確立が急務である。本研究では、ワーキングメモリ障害に焦点を当て、脳画像解析(fMRI)により、神経基盤に基づいたワーキングメモリ障害の新規評価法とリハビリテーション法を開発することを目的とした。
初年度は、(1)fMRIで用いるワーキングメモリ課題の選定及び妥当性の検証(2)認知リハビリテーションにおけるリハビリソフトの選定と言語セッションマニュアルの作成を行った。
統合失調症患者10名と健常者13名に対して、WMS-R(ウエクスラー記憶検査)の視覚性記憶範囲課題、言語性及び非言語性N-back課題、新規課題を実施した。患者および健常者の視覚性記憶範囲課題の正答率は、既存データと同様であり、2種類のN-back課題では、各群ともに1-backから2-、3-backと難易度の上昇に伴い、感度は有意に減少し、その感度は患者群で健常者群よりも有意に低下していた。以上を確認したうえで、記憶の保持への負荷(light, medium, heavy)に加え、操作の複雑さによる負荷(A>B>C)を有する新規課題の妥当性を検証した。統合失調症患者のうち,1-2名はheavyのB,Cについては実施が困難であったが,その他の患者および健常者では、ともに記憶保持への負荷,操作の複雑さによる負荷が強いほど遂行成績が低下し、患者で健常者に比して有意に遂行成績は低下した。今回の結果より、作成した新規課題が、記憶の保持と操作について評価可能である可能性が示唆された。条件を調整した上で、fMRIデータを取得し、その神経基盤を明らかにするとともにリハビリを実施し、その効果を検証する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

fMRIに用いる課題の妥当性評価及び認知リハビリテーションにおけるリハビリソフトの選定と言語セッション用マニュアルの作成に時間を要したため、リハビリテーションの開始時期はやや遅れている。

今後の研究の推進方策

認知リハビリテーションを実施する心理士を雇用し、リハビリソフトやマニュアル作成が順調に進んでおり、今後は遅延なく認知リハビリテーションを実施可能である。fMRIで使用する課題の微調整も進んでいる。

次年度の研究費の使用計画

認知リハビリテーションの開始時期が当初予定時期よりもやや遅れており、雇用予定であった臨床心理士の採用及び患者様への謝金等の支出が次年度に繰り越された。
現在、既に認知リハビリ担当の臨床心理士を雇用し、リハビリテーションの準備は整っている。心理士の雇用と患者様への謝金として、予定通り研究費を使用していく。

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公開日: 2015-05-28  

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