本研究では、30 mol%MO-70 mol%P2O5(M = Ba, Zn)ガラスにおいて、添加元素や合成温度がリン酸構造やプロトン伝導性に及ぼす影響について調べた。合成温度を1000℃から800℃に下げたところ、含水率の増加に伴って可動プロトン濃度が上昇した。また、BaをZnで置換するとリン酸分岐構造から直鎖構造に変化し、プロトン移動度が向上した。800℃で合成した30ZnO-70P2O5ガラスの導電率は、250℃で1×10-3 S/cm に達した。この電解質をPt/C電極上に直接成膜する新しい手法で燃料電池を作製し、200℃で従来の6倍の出力密度である1.2 mW/cm2が得られた。
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