がんの再発・転移の原因としてがん幹細胞の存在が注目されている。近年、がん幹細胞は腫瘍組織中だけでなく、血中にも循環していることが報告されている。しかし、血中に存在する割合は非常に少ないため、高感度な検出が必要であり、これまでに簡易に正確に検出できるシステムは報告されていない。これまでに我々はスライドガラスサイズのプラスチック基板(チップ)に直径100 μmの穴を2万個配置し、1枚のチップ上で200万個の白血球を解析できる細胞チップを開発してきた。そこで本研究では、細胞チップを用いることにより、高感度に、簡易に、正確に血中を循環するがん幹細胞を検出できるシステムの開発を試みた。
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