本研究の目的は、操作性とデザイン性を両立する軽量・低コストな作業用電動義手の実現である。最終年度は使い勝手をより向上するため、以下の改良を行った。 1.日常生活の作業に適した指形状・配置の検討 指の接触面積が大きくなるように、指の形状を見直し、指に被せる指キャップも合わせて形状および素材の変更を行った。ハンド本体のキャップも柔軟素材にすることによって、ペンなどの把持安定も向上させた。これらの改良によって、様々な日用品を把持可能となった。 2.ハンド本体の構造の検討 前年度までのモデルでは、円筒のハンド本体を別の部品で挟み込む構造になっており、部品点数が多く、防水なども困難であった。そこで、部品を一体化し、指先を格納する円筒部品と、2個の本体部品で構成した。これによって、組み立ての簡易化、軽量化、防水性も向上した。 8名のユーザに上肢機能を評価するSHAPテストなどを行い良好な結果を得た。また、本電動義手のハンドおよび操作システムを利用して、第三の手デバイス、装飾性を重視した電動ハンドの試作も行った。
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