研究課題/領域番号 |
25871204
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
勝亦 陽一 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (90548281)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生まれ月 / スポーツ参加 / 一流競技者 |
研究概要 |
本研究は、横断的(種目間、競技力間)および縦断的(年代間、年齢間)研究に大別される。25年度はJISSデータを活用する横断的研究(種目間)および資料収集が比較的簡易な縦断的研究(年代間)を行った。 横断的研究(種目間)の対象は、2001年から2012年までにJISSにおいて体力測定を行った日本人トップアスリートであった。年度の切り替え月である4月を基準とし、4~3月まで1~12の番号を振り、それと各月の人数との関係をスピアマンの順位相関係数により算出した。その結果、男性ではサッカー、陸上(短距離)及びスキージャンプにおいて、女性ではバスケットボールにおいて有意な負の相関関係が認められた。競技体系別では男女ともに球技系において、男性では記録系において有意な負の相関関係が認められた。以上の結果から、日本人一流競技者の生まれ月分布は、競技種目及び種目特性などによって異なることが明らかとなった。 縦断的研究(年代間)の対象は、1964東京オリンピックと北京およびロンドンオリンピック出場選手とし、生まれ月の偏りにおける年代間および種目間の差異を検討した。その結果、力発揮特性に関わらず、有意な正の相関関係が認められた。一方、男性の陸上(瞬発系および持久系)において有意な負の相関関係が認められた。以上の結果は2000年以降の日本人一流競技者の生まれ月分布とは異なる。その原因として日本人全体の生まれ月分布および競技スポーツを行う環境の相違が影響していることが推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、生まれ月とスポーツへの参加との関係を明らかにすることであった。25年度はJISSデータを活用する横断的研究(種目間)および資料収集が比較的簡易な縦断的研究(年代間)を行うことが計画されていたが、予定通りに研究が遂行された。現時点での結果から、一流競技者では生まれ月が偏っていること、過去と比較するとその偏りが顕著であることが明らかとなった。今年度得られた結果は、生まれ月を考慮した国際競技力向上のためのタレント 発掘および育成の方法、ジュニア期のスポーツシステムの在り方を考案する上で貴重な資料になると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
26年度は横断的研究(競技力間)およびアンケート調査および実験データを収集する縦断的研究(年齢間)を行う。 横断的研究(競技力間)および縦断的研究(年齢間)は、25年度の研究結果を考慮し、生まれ月の影響を受けるスポーツ種目である野球、陸上、水泳、サッカー等の選手を対象とする。対象種目の大学スポーツ選手、一般成人、高校生に、生まれ月、幼少期および現在のスポーツ参加状況、身長(増加速度を算出)を調査する。身長の過去データは回答率が低いため、計画的かつ大規模な調査を行う必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
アルバイト等を雇い、所属機関外でデータ入力させるためのノートパソコンを購入予定であった。しかし、データ入力を研究担当者がすべて行うことができたため、PCの購入費および人件費が不使用になった。 昨年度に購入予定であったデータ入力させるためのノートパソコンを購入する。またデータ入力のために昨年度に使用しなかった研究費を使用する。次年度の研究費は研究計画書の予定通りに支出する。
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