25-26年度は、横断的(種目間、競技力間)および縦断的(年代間、年齢間)研究を行った。27年度は、横断的研究(競技力間)について詳細に検討するため、高校野球選手を対象にアンケート調査を行った。また、これまでのデータから包括的な検討を行った。 高校野球選手を対象に生まれ月および競技経験歴について調査を行ったところ、全国大会に出場した選手では、4-9月生まれの割合が67%であり、一般高校野球選手の61%よりも高値であった。一方、一般の高校野球選手においても一般高校生の50%を上回る値であった。一般中学野球選手の生まれ月には偏りがない(26年度)ことを考慮すると、高校野球選手全体の生まれ月が偏っていると考えられる。高校生期に野球を継続している者のうち、中学生期にレギュラーとして試合に出ていなかった者は、全体の10%であったことから、中学生期に試合に出場しているか否かが高校生期に野球を継続する大きな要因であること、10-3月生まれの中学生が野球を継続しなかった可能性があることが示唆された。 本研究で得られたデータについて包括的に分析したところ、生まれ月がスポーツ参加に与える影響(相対的年齢効果)は、50年前より現在のほうが大きいこと、女性より男性において大きいこと、競技力が高いほど大きいこと、小・中学生期に大きいこと、競技人口が多いほど大きいこと、パワー発揮能力が求められる競技において大きいことが明らかとなった。 昨年度行った競技力が高い小学生野球選手の生まれ月について日本体育学会 第66回大会にて発表した。
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