研究課題/領域番号 |
25871210
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研究機関 | 独立行政法人電子航法研究所 |
研究代表者 |
森 亮太 独立行政法人電子航法研究所, その他部局等, 研究員 (30560114)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 航空交通管理 / 運航 / 不確定性 / 強化学習 |
研究実績の概要 |
出発機の効率化については、空港内の地上出発機がスポットから滑走路へ向かう途中に、不要な燃料消費をおさえるために、スポットで意図的に待機し出発を遅らせる手法について検討を行った。各航空機の不確定性の影響を考慮したシミュレーション手法を開発し、その内容は論文に採択された。また、実際にスポットの出発機に割り当てる手法については、強化学習を用いる手法を採用したところ、直感的な割り当て手法よりも明らかに性能が向上することを確認した。その内容について、国際学会にて発表を行った。 到着機の効率化については、現状設定されている飛行方式の改良を行うことで効率化をはかる方法について検討を行った。本年度は、具体的に改良が見込める空港・飛行方式の選定を行い、飛行方式を改良するための最適化手法の検討を行った。実際に飛行を行うパイロットが問題視している方式を対象とすることで、現実的な成果が期待でき、また、実際に方式設計に携わった設計者から方式設計の経緯も確認することで、表には見えてこない様々な制約が存在することが判明した。当該空港について計算を行ったところ、ある空港における方式設計においては、現在の経路よりも多少延伸すると、パイロットのワークロードが下がる一方で、消費燃料の増加はわずかであるため、トータルとして利点が大きいのではないかという結果を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画に記載した内容については、ほぼすべてが実施できており、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
現在行っている研究を拡大させていく方向で、今後も検討を進めていく。具体的には、出発機の効率化については、スポット出発時刻の割り当ての際に、より多くの情報を用いるとどの程度効率化に寄与するかということについて検討を行う。到着機の効率化については、現在実際の運航データの取得を予定しており、そのデータからより現実的なシナリオを作成し、最適な経路設計へと反映を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
26年度は、実際の飛行データを航空会社から購入できる見込みとなったため、その分の前倒し請求を行った。しかしながら、当該航空会社と秘密保持契約等の契約書締結に時間がかかり、結果として使用ができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
27年度には、飛行データの購入見込みが立ったため、前年度未使用額をそのままあてることとしたい。
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