本研究により、マウスを用いたヒト外挿モデルの確立とTCRレパトア解析系の確立に成功した。パラジウム、クロム、ニッケルを用いたマウス金属アレルギーモデルにおいて、ニッケルではNKT細胞が、パラジウムでは特異的T細胞が、クロムでは両方の細胞の関与を明らかにした。さらに、ヒトの口腔内金属アレルギー患者の口腔内組織を用いた病理組織学解析では、正常口腔内粘膜組織との比較で上皮の肥厚と上皮-真皮の結合部位に強いリンパ球浸潤が観察され、IFNγの産生亢進が認められた。また、Vα鎖のCDR3領域がインバリアントなT細胞の存在頻度が著明に増加しており、NKT細胞の関与が強く疑われた。
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