本研究は、非小細胞肺癌におけるEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)治療耐性化後の転移に関与する機序の解明を目的とする。EGFR-TKI耐性非小細胞肺癌細胞株 PC-9ERは、TGF-β2の発現上昇に伴うTGF-βシグナルの活性化により、細胞遊走能の亢進を示す。そこで、この「TGF-βシグナルの活性化」に関与する遺伝子異常の探索を行った。その結果、TGF-βシグナルとの関連性の報告があるCRKLの遺伝子増幅を見出した。また、PC-9ER細胞特異的な19個の変異を、13の細胞遊走関連遺伝子において検出した。本研究で検出した遺伝子異常と細胞遊走能との関連について今後さらなる検討を行う。
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