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2014 年度 実績報告書

生体4Dイメージングによる血管の管腔形成機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 25871232
研究機関独立行政法人国立循環器病研究センター

研究代表者

中嶋 洋行  独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員 (10467657)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード血管形成 / シアストレス / 管腔形成
研究実績の概要

血管は血液の通る管であることから、血管がどのように管腔を形成し、それに伴い血管内皮細胞がどのように応答するのかを理解することは、機能的血管の構築過程を理解するうえで必須である。本研究では、ゼブラフィッシュを用いたin vivoイメージングによって、血管の極性化や管腔化、およびそれに起因する血管内皮細胞の応答を分子レベルで理解することを目指した。
血管内皮細胞の内腔膜や細胞間接着を特異的にラベルできるトランスジェニックゼブラフィッシュを作製し、節間血管の管腔が形成される過程を動的に解析した結果、血管新生では最初に複数の両側盲端の管腔が自律的に形成され、続いて血流と繋がった内腔(開放端)が抹消(盲端側)に向かって伸長・融合することで一続きの管腔を形成することを明らかにした。後者の管腔の伸長および融合は心拍に起因する血流に依存しており、血流による方向性を持った力が管腔化の駆動力となることがわかってきた。管腔形成において、個々の血管内皮細胞が血流によるメカニカルストレスにどのように応答するのかは今後の課題である。
申請者はさらに、上皮細胞の極性形成に関与するHippo経路に注目し、血管の管腔形成との関係性を検討した。Hippo経路の標的因子である転写共役因子YAP1の活性制御をモニターする目的で、血管内皮特異的にGFP-YAP1を発現するトランスジェニックフィッシュを作製した。そこで、GFP-YAP1の局在を生体内で観察することで、血管におけるYAP1の活性状態を動的に捉えることに成功した。観察の結果、GFP-YAP1は、血管管腔化に伴って核内に移行することを見出した。さらに一連の解析から、YAP1の核局在および転写活性化能の亢進は、管腔化に伴う細胞形態の変化ではなく、管腔形成後の血流によるメカニカルストレスによって引き起こされることを新たに見出した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] β-Catenin-dependent transcription is central to Bmp-mediated formation of venous vessels.2015

    • 著者名/発表者名
      Kashiwada T, Fukuhara S, Terai K, Tanaka T, Wakayama Y, Ando K, Nakajima H, Fukui H, Yuge S, Saito Y, Gemma A, Mochizuki N.
    • 雑誌名

      Development

      巻: 142 ページ: 497-509

    • DOI

      10.1242/dev.115576.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Looking back and moving forward: Recent advances in understanding of cardiovascular development by imaging of zebrafish.2015

    • 著者名/発表者名
      Fukuhara S, Fukui H, Wakayama Y, Ando K, Nakajima H, Mochizuki N.
    • 雑誌名

      Development, Growth & Differentiation

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1111/dgd.12210.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] S1P-Yap1 signaling regulates endoderm formation required for cardiac precursor cell migration in zebrafish.2014

    • 著者名/発表者名
      Fukui H, Terai K, Nakajima H, Chiba A, Fukuhara S, Mochizuki N.
    • 雑誌名

      Developmental Cell

      巻: 31 ページ: 128-136

    • DOI

      10.1016/j.devcel.2014.08.014.

    • 査読あり
  • [学会発表] 中嶋洋行、山本希美子、福井一、福原茂朋、望月直樹2015

    • 著者名/発表者名
      血流による機械的刺激に対するYAP1の応答機構
    • 学会等名
      第67回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京)
    • 年月日
      2015-06-30 – 2015-07-02
  • [学会発表] 血流による機械的刺激に対する内皮細胞の新たな応答機構の解析2014

    • 著者名/発表者名
      中嶋洋行、福井一、福原茂朋、望月直樹
    • 学会等名
      第5回Molecular Cardiovascular Conference II
    • 発表場所
      神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ(神戸)
    • 年月日
      2014-09-05 – 2014-09-06
  • [学会発表] In vivo imaging of YAP dynamics in zebrafish vascular development2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Nakajima, Sigetomo Fukuhara, Naoki Mochizuki
    • 学会等名
      The 18th International Vascular Biology Meeting (IVBM2014)
    • 発表場所
      みやこめっせ京都市勧業館(京都)
    • 年月日
      2014-04-14 – 2014-04-17

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公開日: 2016-06-01  

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