ヒトにおいて致死的な拡張型心筋症(DCM)を引き起こす心筋トロポニンT遺伝子欠失突然変異ΔK210を導入したノックインマウスに対するグレリンの治療効果を調べた。生後1ヶ月のDCM KI マウスに対し、グレリン(150μg/kg)を1 回/日・1ヶ月間を投与することによって、心臓副交感神経の活性化と交感神経活動の抑制と同時に、突然死と左心室リモデリングの改善が認められた。以上の結果から、DCMマウスに対するグレリンの有益効果には、心臓交感神経活性の抑制および心臓迷走神経の活性化が最も強く関与したと推測される。
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