大腸癌の予後は転移の有無により大きく左右されるため、早期転移診断マーカーの開発は重要である。癌転移のプロセスには組織周辺の環境が大きく影響するため、同所移植は癌微小環境を反映した優れた研究モデルである。本研究では、同所移植モデルにより大腸癌の転移性細胞株を樹立し、リン酸化プロテオーム解析により転移マーカー候補分子の探索および機能解析を行った。HCT116ヒト大腸癌細胞株より樹立した転移性細胞は元株と比べて高浸潤性であることが確認された。リン酸化プロテオーム解析により16541のリン酸化ペプチドを同定し、浸潤との関連が予想される分子の機能解析から、新たな2つの浸潤関連タンパク質を同定した。
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