ATMタンパク質はDNA損傷や活性酸素に応答して活性化するリン酸化酵素(キナーゼ)の一つであるとされているが、DNA損傷応答と活性酸素応答でのATM下流シグナルの差異については明らかにされていない。そこでこれらを明らかにするために、まずは抗体を用いたATM特異的な基質の検出を行った。その結果、活性酸素応答時のみに観られるATM基質の検出に成功した。以上の成果から、DNA損傷応答時と活性酸素応答時でのATM活性化経路が異なることが明白となった。今後はリン酸化プロテオーム解析を行うことで、ATMキナーゼが関与するシグナル経路が明らかになることが大いに期待できる。
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