地球核における水素の挙動と存在量,および地球核構造とダイナミクスへの水素の影響を物質科学的に解明することを目的として,金属―水素系における高温高圧その場粉末X線回折基盤技術を確立し,地球核条件下で鉄―水素系に関する結晶構造,相平衡関係および物性を明らかにすることを目指した.従来鉄水素化物はダブル六方最密充填構造相が地球核条件で安定に存在することが提案されていたが,地球核条件よりも低い高温高圧領域で別の高圧相への構造相転移が確認され,地球核中の水素量が既存モデルによる推定量と異なる可能性が明らかになった.
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