研究課題/領域番号 |
25871248
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研究種目 |
若手研究(B)
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研究機関 | 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室) |
研究代表者 |
濱嶋 英樹 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究員 (30398242)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 塑性加工 / 衝撃加工 / 衝撃波 / 高速度撮影 / 超高圧力 / 水撃 / 水中放電 |
研究概要 |
本研究は「水中パルス放電による超高圧力の制御技術の開発」と「その技術を用いた切断及び塑性加工法の開発」を目的として研究を進めた。初年度の平成25年度は、「超高圧力の制御技術の開発」を目的とした。超高圧力の制御技術では、水中放電によって発生する3種類の瞬間的負荷力(水中放電によって発生する放電直後に水が気化したときに生じる衝撃波、放電によって気化したガス(水蒸気)の脈動が生じることによって発生する衝撃波、ガス流動によって発生する水撃作用)が水中放電の超高圧力を利用する応用技術のカギとなり、複合的な付加作用になるため、本研究では特に重要な研究内容になる。そのため、これらの超高圧力の評価を実験及び数値シミュレーションを用いて実施した。 実験においては、これらの瞬間的負荷力を観測するための専用装置を製作し、高速度ビデオカメラを用いた光学観測システムを構築した。気泡脈動現象、衝撃波、水撃現象の基礎データを取得し、その超高圧力を評価することができた。これらの基礎データは、次年度に金属成形装置の加工に用いる超高圧力の基礎データとして活用することを計画している。また、数値シミュレーションでは、有限要素解析ソフトウェアLS-DYNAを用いて装置設計に活用できる解析法を確立し、放電によって発生する気泡脈動、水撃現象を評価することができた。また、実験で得られた基礎データとの比較検討を行ったところ、流速や超高圧力を評価することができることが分かり、装置設計に応用することが可能となった。平成25年度の実験及び数値シミュレーションによって得られた研究成果は、本研究課題の中でも特に重要となる超高圧力の制御技術の開発の成果となった。 また、本研究内容に関連する学会、講習会、シンポジウムなど(7件)に参加して研究動向の調査を行い、塑性加工学会、火薬学会において本研究の成果(2件)を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は「水中パルス放電による超高圧力の制御技術の開発」と「その技術を用いた切断及び塑性加工法の開発」を目的として研究を進めている。初年度の平成25年度は、本研究の中でもカギとなる「超高圧力の制御技術の開発」を目的とした研究を実施した。超高圧力の制御技術では、水中放電によって発生する3種類の瞬間的負荷力(水中放電によって発生する放電直後に水が気化したときに生じる衝撃波、放電によって気化したガス(水蒸気)の脈動が生じることによって発生する衝撃波、ガス流動によって発生する水撃作用)が水中放電の超高圧力を利用する応用技術のカギとなり、複合的で複雑な負荷作用になるため、本研究では特に重要な研究内容になる。これらの超高圧力の負荷作用の現象を解明するため、実験及び数値シミュレーションを実施し、現象解明に繋がる基礎データを取得することができた。実験においては、高速度ビデオカメラを用いた光学観測を行い、様々な条件での気泡脈動現象、衝撃波、水撃現象の基礎データを取得し、その超高圧力を評価することができた。また、数値シミュレーションでは、有限要素解析ソフトウェアLS-DYNAを用いて装置設計に活用できる解析法を確立し、放電によって発生する気泡脈動、水撃現象を評価することができた。これらの研究成果により、複合的で瞬間的な超高圧力を制御する圧力収束容器の開発に応用できる制御技術を開発することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は「水中パルス放電による超高圧力の制御技術の開発」と「その技術を用いた切断及び塑性加工法の開発」を目的として研究を進めている。最終年度の平成26年度は、「超高圧力の制御技術を用いた切断及び塑性加工法の開発」を目的とした研究を実施する。具体的には、数値シミュレーションを利用した解析主導型の装置設計を行い、水中放電利用の金属加工装置の開発を行う。また、数値シミュレーション技術の精度向上のため、実験による比較検証用の水中放電現象の基礎データの集積を行う。最新の研究動向を調査するため学会や講習会等に参加し、学会等での成果発表や専門誌等に研究成果を投稿する。
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