研究課題/領域番号 |
25871252
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
丸山 雅紀 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教 (70443033)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 行動実験 / 機能的MRI実験 / モデル解析 / 国際研究者交流 / 論文執筆 |
研究実績の概要 |
当該年度は、被験者5名に対し、数の比較を必要とする課題を遂行させる行動実験を実施した。収集した行動データの解析にドリフト拡散モデルを適用することにより、学習効果を示す行動指標として、数を表象する信号の強度と、数の比較に関連した意思決定の閾値を得た。また、意思決定の閾値は情動の影響を受けやすいことが判明した。本プロジェクトの目標である共通神経基盤の存在の検証において、数学と言語の行動指標の相関を調べる際には、情動の影響による指標のゆらぎに留意する必要性が明らかとなった。 うち3名の被験者に対しては、安静状態における機能的MRIデータを収集した。比較対象として自己に注意を向けた状態のデータを収集すべく、心拍数に関連した課題を遂行している間のデータも収集した。現在、行動指標を予測できるディコーダーを作成すべく、予備的な解析を行っている。 京都大学の中村公洋準教授を大阪大学に招へいし、言語研究に関する講演を行ってもらった。 ブリュッセル自由大学のVilip Van Opstalを大阪大学に招へいし、本プロジェクトにおける目標達成に向けて、ニューロフィードバックではなく、行動実験の繰り返しにより生じる学習効果で共通の神経基盤を調べる手法の有効性を議論した。更に、MRスペクトロスコピー計測により神経伝達密度のデータを加えることにより、学習効果に関する理解を深める研究手法を議論した。 医学雑誌Clinical Neuroscienceから数学と言語の神経基盤の共通性に関する論文の執筆依頼を受け、現在執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学習の効果を引き起こす実験をまだ実施していない。 個人差を利用した解析を実施できるほど、多くの被験者からデータを収集していない。
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今後の研究の推進方策 |
学習効果を効率的に生じさせるために、当初の予定であったニューロフィードバックの手法ではなく、行動実験において被験者に同一の課題の繰り返し遂行させる手法を採用することにする。 予備実験で収集したデータの解析を速やかに終え、確定した実験デザインで被験者数を増やす。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備実験とそのデータ解析に多くの時間を割き、確定した実験デザインで被験者数を増やす段階に移行できなかったため
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次年度使用額の使用計画 |
MRI装置の使用料(3,6000円×2時間×2回×16名)と被験者謝金(8000円×2回×16名)、研究の成果を発表するための学会参加費などに使用する計画である。
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