研究課題
本年度の前半は物体検出精度の向上を目指して携帯型服薬管理支援デバイスの改良を行った。具体的には、同デバイスの開閉機構をスライド式へ変更することで遮光性を高め、開閉状態を正確に認識するための付属回路を設計した。同時に、複数の収納スペースを1台のカメラで撮影するために内蔵した曲面ミラーの形状を利用することで、取得画像を処理用サーバーへアップロードすることなく、瞬時に薬を検出できるように物体検出手法を改善した。上記の改良点については、計測デバイスの先進性を確保するため、特許を申請した。本年度の後半は実際に計測デバイスを使用し、外出時生活状態推定アルゴリズムの開発を進めた。その際、市販のスマートフォンに内蔵され始めた気圧センサーのデータも同時に収集した。最初に、先行研究で開発した在宅時生活状態推定アルゴリズムを適用したが、ファジィ推論の前件部となる特徴データを加速度センサーや環境光センサーで十分に獲得できないことを確認した。そこで、我々のグループが独自に研究している進化的ペトリネットというモデリング手法を使用することで、データ間の共起関係や依存関係を抽出することを試みた。進化的ペトリネットを使用することで、各種センサーで収集したデータを一般化して議論することが可能となり、特徴データが「活動時に反応する群」と「非活動時に反応する群」の2群に分類できることを確認した。そのため、我々は、加速度・環境光・気圧センサーのみで食事や睡眠の現状態を推定することは困難であると結論付けた。今後は、内蔵マイクや外部センサーを使用することで、外出時生活状態推定の精度向上を図る。近年、スマートフォンを中心とした健康管理支援システムが数多く提案されてきているため、生活状態を正確に推定するために必要となるセンサーを明らかにすることで、同分野の発展に貢献する。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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