研究課題/領域番号 |
25880019
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
小池 崇文 法政大学, 情報科学部, 教授 (30530399)
|
研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
キーワード | 光線情報処理 / ホログラフィ / ライトフィールド / 3次元ディスプレイ |
研究概要 |
ホログラフィ方式を含む3次元ディスプレイの体系的記法の構築を行った.3次元ディスプレイは,構成デバイスや立体知覚の方法などに多数の種類がある.そのため,3次元ディスプレイの分類方法は,今までに多数提案されているが,論理的に分類する手法の確立はされていなかった.本研究では,光の出射位置と出射方向を表すライトフィールド (4次元光線情報) の概念を用いることで,ほとんどの3次元ディスプレイを統一的に理解する事を可能にした.具体的には,3次元ディスプレイの定性的な違いは,ライトフィールドの再現性能の違いとして,解析した.又,点像分布関数を用いることで,3次元ディスプレイの定量化も可能となり,異なる方式間の比較評価も可能となった. ライトフィールドは幾何光学の範囲で成立する概念であり,コヒーレント光や回折光を取り扱うことが出来ない.そのため,そのままではホログラフィ方式の3次元ディスプレイを取り扱うことが出来ない.そこで,ライトフィールドの概念を拡張し,位相を取り扱えるようにすることで,ホログラフィ方式も扱えるような方法を検討した. また,ホログラフィ方式の3次元ディスプレイ環境を構築した.小型の反射型液晶パネルとレーザー光を用いて,ホログラフィデータから,実際の3次元ホログラフィ映像を表示する実験装置である.その結果,既存のホログラフィデータ計算方式と提案方式の両者で生成したホログラフィデータを視覚的に比較検討できるようになった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書の通り,3次元ディスプレイの体系的記法の構築を行った.拡張ライトフィールドを用いたホログラフィデータの計算アルゴリズムについては,まだ未完成であるが,先行してホログラフィ方式3次元ディスプレイ環境の構築を行ったため,2年間の研究計画に照らし合わせると順調に推移しているといえる.また,計画ではメガネ方式3次元ディスプレイを用いた実験も計画していたが,ホログラフィ方式3次元ディスプレイの実験環境が予定より早く完成したため,メガネ方式3次元ディスプレイを用いたホログラフィ方式の見え方のシミュレーションを行わずとも研究が遂行可能となった.
|
今後の研究の推進方策 |
当初より少し遅れているホログラフィデータ計算アルゴリズムを完成させ,当初の計画通り,ライトフィールド取得カメラで取得した3次元画像の変換処理と表示実験を行う.
|