物体を見て触るとき、我々は目と手から異なる種類の情報を受け取る。それらはしばしば、サイズと重さのように、ある種の規則的な連関を有している。しかしながら、視覚・触覚情報の間に潜む統計的規則性にヒトが感受性を持つのか、そしてそれは認知的にどう利用されるのかについては明らかでない。本研究では、ヒトが輝度(物体の明るさ)と剛性(物体の硬さ)というこれまで経験したことのない量の組み合わせに対して、その規則性の強さを適切に評価できること、および規則性は複数回の視触覚経験の中で暗に記憶され、後の記憶判断に利用されることを明らかにした。この結果は、我々が視触覚経験を量的規則として抽象化していることを示唆する。
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