研究課題
英語教育に関連する分野では,日本語母語話者の英語発話において,英語母語話者にはどこか不自然に感じられる特徴は,韻律にあることが明らかになっている.しかし,教育現場において,韻律の教授が困難であることより,あまりなされてこなかった.また,関連する英語の韻律学習システムも,学習者とモデルとなる発話の音響特徴のベクトルの差異を示すものが多く,学習者は,自分の発話が英語母語話者とどれほど異なるか理解できるが,発話をどのように修正すればよいかわからないことが多かった.本研究課題では,日本語母語話者の英語発話の韻律特徴の定量的な知見に基づく,日本語話者のための英語発話の韻律学習システムの構築を目指した.音声分析再合成システムを用いて,日本語母語話者の英語発話音声について,英語らしい発話に修正し,合成音声として出力するシステムを目標とした.25年度にて,日本語母語話者の英語発話の韻律を分析し,日本語話者の英語発話をモデル化した.26年度は,そのモデルを音声再合成システムSTRAIGHTの変換モデルに組み入れた.分析により得られたモデルをそのまま使用した.いくつかの日本語母語話者のサンプルを入力したところ,出力される再合成音声は,主観的には,元音声と比べ,韻律の変化は聞き取れた.これからシステム化に向けて,韻律パラメータの3要素と英語らしさの関係の解明や,再合成音声の精度など,さらなる課題を明らかにした.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Acoustical Science and Technology, edited by the Acoustical Society of Japan
巻: 35-1 ページ: 42-49
10.1250/ast.35.42
http://www.tokiwa.ac.jp/~nariai/