研究課題/領域番号 |
25880030
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
城 綾実 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 特任研究員 (00709313)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 会話分析 / 共有 / 知識 / 理解 / 身体 / 介護 / 科学コミュニケーション |
研究概要 |
本研究課題は,対人接触場面において効果的/効率的にサービスを提供するための知識,すなわち実践知を組織内で共有することで,組織全体の専門的スキルの向上および作業の効率化に貢献することを目的とする.本研究課題では,従来インタビュー調査等で明らかにされてきた,熟練者が事後的に振り返った上で形作られる実践知ではなく,専門職従事者の実践活動の中から実践知を明らかにした上で,組織内で蓄積されたデータから定量的に実践知を抽出可能にすることを目指す.そのために今年度は,高齢者介護施設(グループホーム)と科学館(日本科学未来館)での調査を,以下の3点に焦点化し実施した.(1)実践活動を録画し,データを蓄積する,(2)会話分析の立場から実践活動を観察・分析することで特定の実践知を構成している言語と身体表現の連鎖的関係を明らかにして,専門職従事者当人が理解可能な形に可視化する,(3)可視化した実践知が専門職従事者にとって組織内で共有すべき内容かどうか調査する. 成果は次の通りである. (1)グループホームのカンファレンス場面,日本科学未来館展示フロアの科学コミュニケーション場面をそれぞれ収録した. (2)グループホームのカンファレンスで施設利用者の介助に関する知識や理解を共有する上で重要と思われる現象を事例分析から示した.日本科学未来館展示フロアの科学コミュニケーションでは,来館者の知識を推測し,それに見合った関心事を産み出すのに重要と思われる現象を予備分析した. (3)グループホームでは(2)の成果について聞き取り調査を開始した.日本科学未来館では,(2)の成果について聞き取りをおこない,体系的に分析を進める上で抽出した現象が妥当かどうか検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
介護職員と科学コミュニケーターそれぞれの実践活動データの取得に困難があり,現状は当初の計画よりやや遅れている.しかし,グループホームでは,介助活動の代わりにカンファレンス活動の収録が許可されたので,介護職員が各利用者に対しどう介助するのか意思決定をおこなう場面の分析を進め,分析結果をもとに介護職員への聞き取りを開始している.他方,日本科学未来館では,他のプロジェクトと共同でデータを収録することになり,平成25年度末に収録を終えた段階である.データ収録に先立ち,予備調査段階で映像データを見ながら専門職従事者に聞き取りをおこない,分析対象とする現象は定まっているため,平成26年度に遅れを取り戻すことは可能と考える.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の前半は,前述(9.研究実績の概要)で示した成果から(2)(3)を発展させる.グループホームについては,これまでに収録した約20時間のカンファレンスデータを用いて,これまで事例分析で明らかにした現象について体系的な分析と可視化を進める.日本科学未来館については,約8時間の展示フロアにおける科学コミュニケーションのデータを用いて,予備調査で得られた現象を中心に体系的な分析と可視化を進める.それぞれの可視化データをもとに聞き取り調査を進める. 平成26年度の後半は,機械学習やデータマイニングでおこなわれている身体動作のパターン認識からの知見や自然言語処理の手法を援用して,実践知を定量的に抽出するために必要なパターンの抽出可能性を検討する.
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