現代社会において専門性の確立が課題となっている介護職と「コミュニケーター」と呼ばれるような職種は,容易に言語化することが困難な,身体的活動を含む対人サービスを提供するための知識(実践知)を有している.本研究課題では,彼らの実践知を会話分析の立場から明らかにし,専門職従事者の実践知を構成する言語・身体表現のパターンを探ることを目的に,実際の就業場面を収録した映像データの収集と分析をおこなった.その結果,グループホームの職員と日本科学未来館の科学コミュニケーターそれぞれの実践知の一端を,組織の理念や設立の背景などのエスノグラフィックな情報と会話分析による結果を結びつけることで明らかにした.
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