本研究課題では、バクテリアセルロース微小径ファイバ上に細胞層を形成し、それを折りたたむことで細胞塊を構築する。管腔構造を形成するには、細胞間の結合が安定するまでファイバを分解せずに細胞塊を培養する必要がある。その際、どの程度のサイズの細胞塊がどの程度の期間、能動的な灌流なしに、拡散のみで、壊死なく培養できるかを調べる必要があった。また、バクテリアセルロースはナノ繊維が絡み合ってできており、間隙を多く有するため、養分が拡散して細胞内部まで供給される可能性が考えられた。そこで、本年度は、バクテリアセルロース微小径ファイバを用いて構築した細胞組織に関して、養分拡散モデルを構築した。その結果、細胞塊作製の際の指針を得ることができた。またこの成果を国際学会にて発表した。
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