本研究では生後2~3 ヵ月の乳児を対象に,覚醒時自発運動と睡眠時脳波をそれぞれ計測し,その特性の連関を検討した.自発運動データから,運動の平均速度,分布,滑らかさ,四肢間の相関,複雑性などの指標を算出し,乳児期初期の自発運動特性を把握することができた.特に,曲率・捩率を応用した四肢の回転運動指標は,fidgety movementsの特徴をよく捉えるものであった.睡眠時脳波からは,静睡眠と動睡眠の状態(出現頻度,持続時間,割合など)を同定し,それらと自発運動特性との関係を検討した.両者の関係に明確な結論を得るには,さらなるデータ数が必要であることが明らかとなり,今後も継続した検討が必要である.
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