研究課題/領域番号 |
25882019
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
森本 明子 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (90710377)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | インスリン分泌不全 / インスリン抵抗性 / 2型糖尿病 / コホート研究 |
研究概要 |
1.平成25年度の研究実施計画に基づき、長野厚生連佐久総合病院人間ドック科の2008-2012年度の1泊2日人間ドックデータをデータベース化した。 2.仮説1「インスリン分泌不全者は非分泌不全者と比べ、より軽度のインスリン抵抗性の増加で2型糖尿病を発症する」の検証を行った。 2006年度に長野厚生連佐久総合病院の1泊2日人間ドックを受診した30-69歳の糖尿病でない地域住民のうち、2009-2010年度にも受診した2671名を対象とした。2006年度の75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の結果から算出したインスリン分泌指数により対象者を2群(分泌不全/非分泌不全)に分類し、さらに2006年度から2009-2010年度のHOMA-IR(インスリン抵抗性指数)の増減4分類(0.10以上の減少/0.10未満の減少~0.20未満の増加/0.20以上の増加~0.50未満の増加/0.50以上の増加)とあわせ、対象を8群に分類した。糖尿病発症はOGTT2時間後血糖値200mg/dl以上 and/or 空腹時血糖値126mg/dl以上と定義し、2009-2010年度の新規糖尿病発症を評価した。多変量調整ロジスティック回帰分析の結果、「非分泌不全・0.10未満の減少~0.20未満の増加」群に比べて、「分泌不全・0.10未満の減少~0.20未満の増加」群で3.85倍(95信頼区間:1.06-14.96)、「分泌不全・0.20以上の増加~0.50未満の増加」群で6.11倍(1.62-19.84)、「分泌不全・0.50以上の増加」群で12.50倍(3.43-45.51)、糖尿病発症リスクが増加した。分泌不全者は、より軽度のHOMA-IRの増加で2型糖尿病を発症することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の研究実施計画に基づき、予定していたデータベース化作業を終了した。また、仮説1「インスリン分泌不全者は非分泌不全者と比べ、より軽度のインスリン抵抗性の増加で2型糖尿病を発症する」の検証を行い、論文を作成し、現在専門誌(Diabetes Research and Clinical Practice)に投稿している。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた2008-2012年度の1泊2日人間ドックデータのデータベース化作業を終了したので、今後はこのデータベースから前向きコホート研究のデータセットを作成する。 加えて、作成したデータセットを用いて、平成26年度の研究実施計画のとおり、仮説2「インスリン分泌不全者と抵抗性者では2型糖尿病発症の危険因子が異なる」の検証を行う。
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