研究課題/領域番号 |
25882027
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
保田 倫子 静岡県立大学, 付置研究所, 助教 (00707036)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 夜型生活 / PAI-1 / がん / 炎症 / LPS / 光ストレス |
研究概要 |
通常の飼育同様12 h/12 h(明/暗)の光照射条件下で馴化後、通常飼育条件で飼育したマウスと、24 h/0 h(明/暗)条件下で2日間、つまり、48時間連続で光照射条件下で飼育したマウスとで、血中コルチコステロン量を比較した。その結果、48時間光照射条件下で飼育したマウスについては、通常の飼育条件下で飼育したマウスに比べてコルチコステロン量が有意に低下することが示された。一般に、環境ストレスをマウスに供すると血中コルチコステロン量は増加する。よって、今回の結果では、予想に反して48時間光照射条件でコルチコステロン量は低下したが、ストレスホルモンの量を攪乱させるような刺激として48時間光少照射が作用している、ということは考えられる。次に、乳がんをはじめとして様々ながんに対してがんに深く関与する炎症反応について注目し、炎症剤であるリポ多糖LPSによるPAI-1の産生応答に対して光照射が与える影響について検討した。12 h/12 h(明/暗)の光照射条件下で馴化後、①通常飼育条件、②馴化後に24 h/0 h(明/暗)の光照射条件下で1日間(24時間連続光照射)、③馴化後に24 h/0 h(明/暗)の光照射条件下で2日間(48時間連続光照射)飼育したマウスとで、LPSを腹腔内に投与した3時間後の血中PAI-1量を比較した。いずれの飼育条件においてもLPS投与により、顕著に血中PAI-1量は増加したが、LPS投与群間で、PAI-1量の差は見られなかった。一方、LPS非投与群間では①に比べて②および③においてPAI-1量が増加する傾向がみられたが、有意な差は見られなかった。静岡県立大の大学院生約20人に対して実態調査を行ったところ、栄養ドリンクを含む飲料類、炭水化物類、スナック菓子、飲み会などの場合は酒類、揚げ物類などが多いということがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の結果の通り、PAI-1の産生に関しては、光照射条件の違いによる有意な影響の差は見られていない。一方、LPS非投与群においては、光照射により増加傾向がみられてはいるが、有意な差は得られていない。よって、光照射がPAI-1に対して及ぼす影響について、実際に影響がないのか、もしくは、条件の変更により、有意な差が得られる可能性があるのかをさらに詳細に検討しているため、当初の計画よりはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
PAI-1の産生に対する光照射条件の違いによる影響の有無についてさらに詳細を検討する。 当初は乳がんのみについて注目していたが、がんを含む様々な疾病に深く関与する炎症反応に注目し、炎症剤を投与した際の応答の違いについても検討する。 よって、夜型生活を過ごす際の食事の実態調査に関しても、女子学生だけではなく、男子学生、および職員など、ターゲットを拡げる。
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