研究課題/領域番号 |
25882029
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山口 智史 慶應義塾大学, 医学部, 特任助教 (20594956)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 電気刺激 / 随意運動 / 脊髄相反性抑制 / 反射 / 歩行 / 脳卒中 / 機能回復 / リハビリテーション |
研究概要 |
研究課題である歩行周期に類似した高周波感覚刺激(PES)を歩行に合わせることによる治療の効果を検証するための基礎的な研究として、適切な介入時間を決定することを目的に、PESと随意運動の組み合わせによる脊髄相反性抑制(RI)の増強を誘導するために必要な介入時間とその持続効果について健常者を対象に検討した。 実験1における課題は、PESと足関節背屈運動(背屈運動)、PESのみ、背屈運動のみの3課題とした。評価は、ヒラメ筋H反射において条件-試験刺激法を用いて、拮抗筋である前脛骨筋からヒラメ筋に対するRIを測定した。RI測定は開始前、介入5分後、介入10分後、介入20分後で実施した。その結果、PESと背屈運動を組み合わせた群において、介入前と比較し、介入5分後から有意なRI増強を認めた。PESのみおよび背屈運動のみは、介入前と比較し、介入20分後に有意にRIが増強した。 実験2では、実験1と同様の3課題をそれぞれ20分間実施し、RI増強の持続効果を検討した。その結果、PESと背屈運動を組み合わせた群では、介入前と比較し、介入直後から介入終了後20分まで有意なRI増強を認めた。PESのみでは、介入前と比較し、介入終了後10分まで有意なRI増強を認め,随意運動のみでは、介入終了直後においてのみ有意なRI増強を示した。これらの結果から、PESを随意運動と組み合わせた場合には、介入後5分からRI増強効果が得られ、組わせた運動を20分間行うことで、その効果が20分後まで持続することが明らかとなった。 これらの知見は、PESを歩行運動に合わせることによる効果の検証を行う上で、介入手法の確立に重要な示唆を与えると考えられる。今後、これらの知見をもとに、脳卒中患者において効果を検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、患者に対する実験について倫理審査中であり、患者においての研究が開始ができていない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
倫理審査認可後スムースに開始できように、リクルートや計測の準備を進めている。
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