マーモセットは、出産直後から父親が養育行動を頻繁に示し、子は一日に何度も母親と父親の間を移動したが、父親が不在条件の新生仔の移動量は限定的であった。社会性試験、弁別学習試験、第三者公平性評価試験などを行った結果、学習や認知テストでの差はみとめられないものの、3チャンバーテストにおいては、父親の養育をはく奪された子は、他個体がいないチャンバーでの滞在時間が短い傾向があり、社会性の不安傾向が示唆された。 これらのことから、父親マーモセットの養育行動は、母親が行う養育行動を物理的にサポートするものであると同時に、子にとって社会的・心理的な側面でも重要な役割を担っていることが示唆された。
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