本研究は,リン磁気共鳴分光法(31P-MRS)と近赤外分光法(NIRS)を併用したヒト生体における新たな骨格筋ミトコンドリア機能測定法の有用性を検証することを目的とした.健常若年者を対象に下肢を15分間虚血した際の31P-MRSから得られるクレアチンリン酸(PCr)とNIRSから得られる酸素化ヘモグロビン/ミオグロビン(oxy-Hb/Mb)の変化からATP産生能および酸素取り込み能を推定し,さらに,これらの比から結合均衡能を解析した.その結果,運動トレーニングによって,ATP産生能および酸素取り込み能は増加するが,結合均衡能は変化しないことが示された.
|