本年度は、印象評価を用いたデザイン教育を支援するためのツールである印象評価サポートツール(Excel版)及び(Web版)を完成させた。 Excel版は、昨年度の内容を継続し、印象評価ガイドシステム、印象評価アンケートツール、印象評価データ分析ツールをマクロ作成用言語(VBA)により開発した。印象評価ガイドシステムは、利用者が調査・分析の目的を最初の段階で決定して進めることができるツールであり、特徴を掴む(主成分分析)、分類する(クラスター分析または主座標分析)、識別する(判別分析)、予測する(重回帰分析)の5つの手法を選択できる。印象評価アンケートツールと印象評価データ分析ツールは、利用者の印象評価データの収集・分析・結果の解釈までをサポートするツールであり、印象評価ガイドシステムの選択内容に合わせて実行される。 Web版は、Excel版と同等の機能をサーバーサイドJavaによってWebサーバ上に構築することを目的として開発した。基本的な機能はExcel版に準ずるよう設計したが、インターフェースはExcel版より簡素化し、特徴をつかむ(主成分分析)、階層的にわける(クラスター分析)、空間的に分ける(主座標分析)の3つの手法を利用者がブラウザ上で容易に扱えるようにした。印象評価アンケート(Excelファイル)を利用者が簡単に作成できるインタフェースをHTMLやCSS、JavaScriptにより開発し、アンケート生成用プログラムをJava言語により開発した。 Excel版は、デザイン系の授業において学生のグループ化のために活用され、教員が学生の感性に応じたグループ化を効率的に行えることを確認した。Web版は、工学系の授業の中で活用され、デザインの印象評価の初学者でも本ツールが実行可能であることを確認した。
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