本研究では、近赤外光により弾性が変化する新奇なゲルを開発し、細胞培養基板に応用することを目指した。基材に用いるためのゲルとして、任意の弾性に制御したポリアクリルアミドゲルを作製し、ゲル表面に細胞接着性を付与することで、実際に細胞が接着できる様子を確認した。また、架橋点となる希土類含有セラミックス発光ナノ粒子を合成し、ナノ粒子表面にポリエチレングリコール/ポリアクリル酸共重合体を固定することに成功した。今後、これらの材料を組み合わせることで、近赤外光応答性弾性基板を作製し、細胞運動の挙動を解明する研究への利用が期待される。
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