研究課題/領域番号 |
25882058
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研究機関 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター |
研究代表者 |
秋葉 茂季 独立行政法人日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センター, スポーツ科学研究部, 契約研究員 (30708300)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | メンタルトレーニング技法 / 筋弛緩 |
研究実績の概要 |
本研究課題では,スポーツメンタルトレーニングにおいてリラクセーションを目的に用いられている漸進的筋弛緩法について,その応用的価値を検討することを目的としている.一般の心理臨床研究では,漸進的筋弛緩法の効果として不安の低減などの心理的効果の他に筋の緊張や弛緩の制御といった運動制御への効果についても報告がなされている.アスリートが漸進的筋弛緩法を実施する場合,直後の随意運動に及ぼす影響については重要な課題となる.そこで,本研究課題ではアスリートを対象に検証がなされていない漸進的筋弛緩法の実施が直後の運動制御に及ぼす影響について脊髄反射機構の働きから検証を試みた。25年度は,先ず実施予定の本実験に先立って,H反射法を用いた基礎データの収集およびそれらの成果についてと研究ミーティングを行った。基礎データの収集では,実験環境の設定方法,運動課題に応じた刺激位置の固定方法などについて知見が得られた.漸進的筋弛緩法において効果機序と考えられている筋の弛緩感覚に意識を向けることについて,実験姿位の違いにより感覚認知に大きな違いがあり強く影響を受けることが明らかになった。これらの結果を踏まえ、本実験を実施した。本実験では,PMRの右足フェーズを実施する前後で同側足関節底屈・背屈運動課題を実施し,課題運動中の背屈時におけるヒラメ筋脊髄運動ニューロン興奮性効果についてH反射法を用いて検証した。実験参加者は,PMRを始めて実施する男子大学生アスリートを対象とした.その結果,PMR実施前後においてヒラメ筋脊髄運動ニューロン興奮性効果に変化はみられなかった.アスリートは,PMR習得に2週間以上の時間を要するという報告があることから今後は継続的実施による変化を検証したい.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度における基礎的な実験により、本実験で実施する筋弛緩による脊髄反射機構への影響についての検証に必要な知見が得られた。本年度中に終了を予定していた本実験について一部遅れも生じたが、実験環境は整備されており被験者の目処も立っていることから、翌年度においてすべてを終了できる見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、本実験として実施しているPMR実施直後のヒラメ筋脊髄運動ニューロン興奮性効果について検討していく。また、同足だけではなく対側である左足フェーズにおけるPMR実施の影響についても検証していく。
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