重度感覚麻痺を有する脳卒中片麻痺患者のマニピュレーション能力の向上を目指した感覚フィードバック装置SENSの開発とその有効性の検証を進めてきた.成果は以下の2点に集約される. 1点目は,多症例でのSENSの有効性の検討である.3名の脳卒中片麻痺患者にSENSを用いた物体把持訓練を実施した結果,SENSを用いた物体把持訓練が,物体を把持する際に,上肢の振るえが生じるような症例のマニピュレーション能力の向上により有効に働く可能性が示唆された.2点目は,携帯型システムの開発である.これにより,自宅や臨床現場においてもSENSの使用が可能となった.
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