インドシナ難民問題における合衆国主導の人道主義を「冷戦人道主義」として、冷戦下における人道主義の特徴を考察した。結論として、合衆国政府が消極的であった難民受け入れが人道主義の名のもとに行われたのは、国務省職員たちの尽力によるものであり、こうした一部の人々の関心が政策的な大きな流れを生んだことがわかった。International Rescue Committeeのような援助団体が大きな役割を果たし、政策を推進するために救済の道義性が強調される必要があったのは、世論は難民受け入れに反対していたからであった。そのため、合衆国政府と国際機関との連携による難民受け入れのグローバル化が必要であった。
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