本研究は、改革開放後に急速な発展を遂げた中国の女性学・ジェンダー研究と高等教育の改革の関係について、1990年代の社会主義市場経済政策実施後の新たな社会変動、第四回世界女性会議の北京開催という経済・文化のグローバル化の流れに位置づけて分析した。中国のジェンダー格差は重層化し、再興する地方の女子高等教育機関には多くの農村女性が進学する傾向がみられた。中国の女性学の発展と女性知識人の草の根のネットワークを通じて切り開かれる公共空間のメカニズムを分析し、日本のジェンダー研究と架橋することは可能かを探った。
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