研究課題
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本課題により,近世ロレーヌ=エ=バール公権の歴史的特質の一端が明らかになった。具体的には,バロワ地域にたいする統治実態の分析と独仏二大権力にたいして公権が展開した統治理念に関する分析から,封建的理論から脱した支配体系と統治理念の構築を積極的に試みるという公権の自律的側面が析出された。この結果,受動的で非自律的であるがゆえに固有の存立原理を内包する権力体であるとは理解されない傾向にあった近世ロレーヌ=エ=バール公権に関する従来の史的評価には,再考する余地があることを示すに至った。
近世ヨーロッパ史