本研究は、近世アジア民衆史の災害と交流に関する考古学的研究である。まず石垣島北部の安良村跡の発掘調査を実施した。この村は18世紀の歴史津波によって被災している。村跡から発掘された過去の人間活動は、18世紀の津波災害と19世紀の集落の復興の様子だと解釈された。 また琉球諸島、奄美諸島、済州島にて家庭内で行われた豚飼育施設を調査した。アジア島嶼部における畜産技術の交流を明らかにすることは出来なかったが、堆肥生産や廃物処理が地域を超えて共通して行われること、1970年代には同時に消滅していくことが比較研究によって明らかとなった。
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