タガログ語を含むフィリピン諸語は「焦点体系」と呼ばれる世界でもこの地域の言語だけにしか見られない特徴を持っている。本研究課題では、動詞分類すなわち動詞の意味的・形態的グループに注目することによって、この焦点体系に関する諸問題に取り組んだ。その結果、動詞分類に注目することで、ヴォイス現象、項交替現象、重複・反復、移動表現などの諸現象を解明することができた。この動詞分類を用いた言語研究の成果は単にフィリピン諸語の研究および一般言語学に貢献しただけでなく、東京外国語大学を中心とするフィリピン諸語教育でも役に立っている。
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