研究課題
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科学技術振興が叫ばれていた1940年前後、かつてマルクス主義的見解を抱いていた日本知識人は、科学論・技術論の領域でいかなる概念規定や方向性をもっていたのだろうか。本研究では、1940年代にさかんに技術論論考を発表していた論者・相川春喜の理論的著作を分析し、主体と客体とを生産過程のなかで労働手段をもって媒介するのが技術である、という規定に相川が(従来の唯物論的規定を捨てて)たどりついたこと、実践的な技術論へと歩みだすためにこの規定が不可欠であったことを明らかにした。
科学技術史