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2014 年度 実績報告書

日本初期写真における写真受容の様相--新潟県南魚沼市六日町の今成家の事例を通じて

研究課題

研究課題/領域番号 25884026
研究機関新潟大学

研究代表者

榎本 千賀子  新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教 (80710384)

研究期間 (年度) 2013-08-30 – 2015-03-31
キーワード写真 / 歌舞伎 / 芝居絵 / 蓄音機 / 活動写真 / メディア / 声
研究実績の概要

新潟県南魚沼市六日町の今成家に残された湿板写真の分析を出発点としながら、幕末~明治中頃までの日本における写真受容の様相を研究した。平性26年度は、これまでの研究から日本における写真受容を考察する上で重要な手がかりであると考えられた (1)写真と歌舞伎を中心とする庶民文化の関係、(2)「声」「動き」と写真を結びつける定型的イメージ、に関する分析と考察を行った。
平成26年度前半は、歌舞伎を中心とした庶民文化と写真受容の関係を中心に研究を進めた。まず、写真と歌舞伎を中心とする庶民文化の一般的関係性について、様々な資料をもとに整理した。その後、芝居「白石噺」の敵討場面を再構成した今成家の写真と、同一場面を描き出した芝居絵を比較分析し、さらにその結果を、当時の一般的な写真受容の様相に関連付けて考察した。この研究の結果、写真と芝居絵の表象システムの差異を、具体的な作例に基づいて示すことができた。また、こうした写真と芝居絵の差異が、当時の人々には限定的にしか自覚されていなかった可能性が明らかとなった。
平成26年度後半は、今成家の事例から発見された「声」や「動き」と写真を結びつける定型的イメージについて研究を進めた。まずは「声」や「動き」と写真を結びつける定型的イメージを、写真のみならず様々な言語活動の中から収集した。次に、写真と蓄音機、活動写真などの後続メディアの関係について考察した。研究の結果、「声」や「動き」と写真を結びつける定型的イメージが、明治中期以降の後続メディアの導入に際して、後続メディアを写真との類推で理解してゆく背景となっていたことが明らかとなった。
平成26年10月には、資料が発見された六日町で広く一般に向けて研究成果を公開するため「今成家写真と南魚沼の文化」展、2014年10月19日-11月21日、南魚沼市図書館展示コーナー(新潟県・南魚沼市)を開催した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 「芝居」を写す写真:今成家湿板写真コレクションにおける明治初頭の演劇写真と「歌舞伎文化圏」2014

    • 著者名/発表者名
      榎本千賀子
    • 雑誌名

      映像学

      巻: 93 ページ: 5-22

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 今成家写真から見える南魚沼の文化と日本初期写真史2014

    • 著者名/発表者名
      榎本千賀子
    • 雑誌名

      新潟地域映像アーカイブ

      巻: 5 ページ: 2-7

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 写真に写る「心」と「声」:明治初頭の写真受容2015

    • 著者名/発表者名
      榎本千賀子
    • 学会等名
      社会情報学会第3回東北支部研究発表会
    • 発表場所
      新潟大学駅南キャンパスときめいと
    • 年月日
      2015-03-14
  • [学会発表] 今成家写真から見る日本初期写真史2014

    • 著者名/発表者名
      榎本千賀子
    • 学会等名
      今成家写真と南魚沼の文化展講演会
    • 発表場所
      南魚沼市図書館多目的ホール
    • 年月日
      2014-10-19
  • [学会発表] 新潟県南魚沼市六日町の今成家コレクションに見る明治初頭の写真受容:演劇的写真の成立基盤と「時間」表象に注目して2014

    • 著者名/発表者名
      榎本千賀子
    • 学会等名
      日本映像学会第40回全国大会
    • 発表場所
      沖縄県立芸術大学首里当蔵キャンパス
    • 年月日
      2014-06-08

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公開日: 2016-06-01  

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