インド・チベット仏教の歴史において、ゾクチェン、つまり「大いなる完成」は、独特の統合を成し遂げており、チベット仏教の一派である「ニンマ派」および、チベットの土着宗教である「ボン教」において、最高の「乗」、つまり悟りへの到達手段、とみなされている。現在のプロジェクトは、ゾクチェンの「3つの智慧」という独自の理論に焦点を当てることによって、ゾクチェンの最高の哲学的見解を明らかにすることを目的としている。「3つの智慧」、すなわち「本体」、「本質」、「慈悲」という3つの不可分な性質は、現実と心の最も深い局面を描いているのである。
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