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2013 年度 実績報告書

対馬に所在する中国・朝鮮伝来経典の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25884052
研究種目

研究活動スタート支援

研究機関京都府立大学

研究代表者

横内 裕人  京都府立大学, 文学部, 准教授 (50706520)

研究期間 (年度) 2013-08-30 – 2015-03-31
キーワード対馬 / 中国・朝鮮伝来経典 / 書誌 / 大蔵経 / 高麗版
研究概要

本研究は、長崎県対馬市所在の中国・朝鮮半島伝来の経巻を悉皆調査し、目録・データベースを作成する事を目的とするもので、25年度は、対象となる経巻群の内、最大の量を数える豆酘・多久魂神社所蔵の高麗再雕版大蔵経1012巻について調査を行った。
調査は、本経巻の寄託先である長崎県立対馬歴史民俗資料館において、平成25年12月3日~6日、平成26年3月4日~7日の合計8日に亘り行い、対馬歴史民俗資料館学芸員、本学大学院生の協力を得た。
今回の調査では、出来るだけ詳細な書誌情報を記録すべく、各冊毎に書名、員数、欠損、表紙、表紙欠損、外題、覚外題等、紙数、破損状況、刊記、特別版記、版記場所、刻工名備考(墨書等、巻中・見返等の墨書・印記、欠筆、音義など)を調査した。特に、刻工名については、既知の高野山本・増上寺本の報告書と対照し、また韓国海印寺所蔵の板木に残る刻工名を参照して省略する事無く記録した。
なお、今回の調査で、共紙表紙に高麗時代とおぼしき覚外題と調巻時の校正等の墨書が発見され、また日本伝来以降の墨書として本文真言傍訓(近世)(167-1)、見返墨書「住持見之」(255-1)、共紙表紙墨書「校正性敏」(256-1)などが発見されたことが注目される。
調査の過程で所蔵者から、本巻の僚巻の可能性がある版本大般若経を保管しているとの情報を得たが、これについては今後の調査の進展を見ながら、調査対象とするかどうか検討したい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

調査対象となる1012冊の内、369冊の調書を作成した(全体の36%を終了)。予定では、25年度中に本経巻群の調査を終える必要があったが、予定の進捗に至らなかった。その理由は、申請当初の予算が縮減され、十分な現地調査ができなかったこと、調査開始時において写真撮影ができず、調査時に生じた疑問点の解決に時間がかかったこと、予想以上に損傷があり取り扱いに時間・労力がかかったこと、刻工名等異体字が多数あり、調査が難航したことなどによる。

今後の研究の推進方策

二度の調査を通じて、調査項目の合理化を図り、現地での作業を縮減し、所有者との協議により写真撮影が許可されたため、次年度は残余の調査をできるだけ速やかに遂行し、データの整理を行う予定である。
もし予定の調査が終了しない場合でも、完了した部分について目録・データベース化までは終え、所蔵者のもとでの管理に利用できる様に図る。

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公開日: 2015-05-28  

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