研究課題/領域番号 |
25884066
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
野村 亞住 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助手 (30710561)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 季吟 / 連句 / 季語 / 芭蕉 / 俳諧 / 近世 |
研究概要 |
本年度、北村季吟の一座する連句の中から、季吟門の成立と目される明暦二年頃以降の連句を収集し、その連句データの作成を行った。対象書籍は、『身楽千句』(元隣・寛文二)以下『談林/誹諧』(延宝年間)までの二九書。そのうち、翻刻の備わるもの、早稲田大学図書館に所蔵されているものからとりかかり、現在までに未翻刻だった資料をふくめ、『貞徳誹諧記』(服部一貞撰・寛文三)『歌仙そろへ』(元隣撰・寛文六)『誹諧独吟集』(寺田重徳編・寛文六)『誹諧小相撲』(寛文七)「季吟桂葉両吟百韻」(季吟・桂葉による連句・興行時期不明)『季吟誹諧集』(寛文一〇)『俳諧塵塚』(寺田重徳編・寛文一二)『拾穂軒都懐紙』(延宝七)の以上八書の翻刻が完了している。そのなかで、連句内で使用された季語の調査、および、入力を行ったのは、『誹諧独吟集』『誹諧小相撲』「季吟桂葉両吟百韻」『季吟誹諧集』『拾穂軒都懐紙』の五書である。 季吟関連の連句を収集するにあたって、翻刻が備わらないものが多く、資料の収集とデータ作成には時間がかかっている。くわえて、翻刻があっても昭和初期に出版されたものにしかない場合、誤読が多く、翻字のチェックに時間を要したというのが、実態である。 だが、連句内で使用された季語の調査に際して、思いのほか、その扱いがバリエーションに富んでいることがわかった。そのため、当初の予定より季語調査を慎重に行っている。次年度に継続して、入手した複写をもとに翻刻作業を行い、使用された季語の調査を行うこととする。 本年度のデータ収集、調査からは、季吟門連句においても特筆すべき特徴が季語の使用から見いだせそうだという見通しがたった。本年度の調査は、今後の研究において有意義な調査となったと確信している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題のうち、その進捗状況は次の通りである。 ①資料に関しては図書館側の作業時間の関係で、6書未入手である。②翻刻が修了しているのは8書。③季語等の入力を終え、データベース化を終えているのが、5書。 データベース作成にやや遅れがあるが、以下の理由から、総合的な進捗状況はおおむね順調と判断する。それは、貞門期といえば、伝統的な季題や季語が多く見られるとの推測の元、取りかかった調査ではあったが、思いのほか、その扱いがバリエーションに富んでいることがわかったことのほか、現在までにデータ化を終えた季吟門連句を概観すると、連句で使用された季語の傾向が見えてきた、という点である。 季語の調査を、当初の予定より慎重に行っているため、データベース作成にやや遅れがあるものの、翻刻作業の進展、と今後の研究の見通しがったった点を考えれば、順調な進展であるといえる。 なにより、芭蕉連句と共通するような、季吟門連句の季語の特徴を見いだせた本年度の調査の意義は大変大きい。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の今後の推進方策の手順は次の通りである。 ・前年度に引き続いて翻刻・および作者・季語等のデータを入力し、データベースを完成させる。 ・データベースを元に、季語を中心として季吟門連句の分析を行う。 ・実際の使用状況を照らしての『増山の井』「非季」の詞の分析を行う。 ・芭蕉連句との比較を行うことで、研究の総括をする。 前年度に見えてきた季に関わる問題をもとに、データベース化に際しては、翻刻には慎重をきし、季語・季の句の認定には当時の文献等を参照し細心の注意を払うよう留意する。
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