申請者は、芭蕉連句の全容解明を目的に、本研究において、芭蕉の季語感の原点を探るべく、師と目される北村季吟の俳諧との比較を試みた。 具体的には、季吟の宗匠立机後、季吟が一座した連句、ごく親しい門弟の独吟連句をテキスト化し、句・季語・季節・興行時期・連衆などが一覧できるデータベースを作成した。その分析の中で、季吟門の季の特徴が抽出できた。これを、申請者が独自に蓄積した芭蕉一座連句のデータベースと比較したところ、芭蕉一座と共通するものであることが明らかになった。さらに、「非季」とされた言葉の分析からは、季の認定の基準が見えてきた。以上のように、今後の研究において大変有意義な研究成果を得られた。
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